nekoTheShadow’s diary

IT業界の片隅でひっそり生きるシステムエンジニアです(´・ω・`)

半沢直樹シリーズの原作を全部読んだ

コロナ騒ぎで撮影が間に合わないなど、いろいろトラブルはあったようですが、2020/09/27に無事最終回を迎えたテレビドラマ『半沢直樹2』。もとはというと、2013年に放映された前作『半沢直樹』自体が大ヒット。それに続けとばかりに池井戸潤原作のテレビドラマや映画が多く作られましたが、これらもことごとく大当たり。そういうわけで、今回の『半沢直樹2』も放送前から「はやること間違いなし」という評判でしたが、前評判以上に流行ったというか、国民的娯楽・社会現象といってよい結果になりました。

とドラマを見たかのようなことを書いていますが、ここ10年ぐらいテレビを視聴するという習慣が失っているということもあって、前作も今作も全く見ていません…。インターネット時代の昨今、ネットで過去放映分が動画配信されることも増えましたが、半沢直樹シリーズに限ってはそれがなく、最終回まじかになってようやく動画配信が始まったと思ったら、自分の仕事が忙しくて優雅に動画を見ている場合ではなかったという(´・ω・`) ただ家族で半沢直樹を見ていなかったのは自分だけ。これはさみしい。そこで、原作小説をすべて読むことにしました。本であれば通勤途中の電車の中で読めるので、社畜にも優しい。

読んだのは以下5作です。上2冊が2013年のドラマの原作で、続く2作が今年のドラマの原作。最後の1冊が2020/09/17に出たばかりの新作なので、当たり前ですが映像化されていません。

どの作品も面白い作品でした。とにかくはずれがないというのがすごい。5作もあるとひとつぐらい面白くないものが混ざっているものですが、本シリーズはそれがない。5作品ともエンターテイメント小説として平均点を軽く超えていました。

権謀術数や陰謀、野心や嫉妬が渦巻く銀行の世界において、独立気質をもった向こうっけの強い主人公が信頼できる仲間たちとともに困難を乗り越え、自らも成長しながら悪をやっつける。しかもその悪がシリーズを通してどんどん大きくなっていって、最初は支店長レベルだったものの、最後には与党幹事長まで相手にするわけです。また敵をやっつけるシーンは爽快ですが、それに至るまで、手に汗握る物語があり、それが大団円に向かっていくプロットの巧みさにも感心させられます。ダイナミックなストーリ展開に心躍らせながらあっというまに読んでしまいました。予定調和の勧善懲悪といわれればそれまでではあるのですが、しかし通俗小説にそれ以上の何を求めるというのでしょうか?

ちなみに同作者の作品は1作だけ読んだことがあります。筆者のデビュー作で、江戸川乱歩賞受賞作である『果つる底なき』ですね。こちらも慶応大学を出て、銀行に就職し、中間管理職になった主人公が銀行の闇に立ち向かっていくという作品で、勧善懲悪の要素も強くあり、半沢直樹シリーズにちょっと似ている部分があったりします。半沢シリーズの原型というとちょっと言いすぎですが、現行の半沢シリーズで物足りない人は読んでみてもよいのでは。ただこちらは殺人事件が起きるなど、ミステリ成分が強め。江戸川乱歩賞受賞だから当たり前といえば当たり前ですが。