- 作者: Mike Gancarz,芳尾桂
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2001/02/01
- メディア: 単行本
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ソフトウェアを語るとき、その「思想」が取り上げられる時があります。対象のソフトウェアがどのような考え方のもとに作られたのか、その考え方はどのような歴史的文脈の元生まれたのか? 本書はそのタイトルの通り、偉大なるソフトウェアのひとつUnixの「思想」を読み解いたものになります。
たとえWindowsを中心とするプログラマだとしてもUnixを知ることはとても価値があります。WindowsがPCのOS業界のシェアを大半を占めている現代社会においても、ユニークなソフトウェアはUnixやその衣鉢を継ぐLinuxの文脈から生まれます。誤解をおそれずにいえば、Windowsからは何も生まれず、ただUnixの成果が移植されているだけに過ぎないのです。いわばソフトウェアを生み出す基盤であるUnix。それを知ることがプログラマに利益をもたらさない――ということがあり得るでしょうか?
あるいはUnixが歴史の深いソフトウェアであることにも目を向けるべきです。一日千秋日進月歩のソフトウェア業界において、四半世紀にわたり利用され続けているということは、そこに使われ続けるだけの理由があり、そして使われていく中で蓄積された素晴らしいノウハウがあるということになります。酸いも甘いもかみ分けた経験に学びましょう。本書はその手掛かりになるとわたしは考えます。