nekoTheShadow’s diary

IT業界の片隅でひっそり生きるシステムエンジニアです(´・ω・`)

『Webで使えるmrubyシステムプログラミング入門』を読んだ

honto.jp

mrubyについては存在だけ知っているという状態だったので、ちょっと知っておいたほうがよいかなーというのが本書を手に取った動機になります。一通り読んで、気になるところ(といいつつほとんど全部)を写経したのですが、とても勉強になる1冊だったと思います。

mrubyをセットアップするところから始まって、システムプログラミングの基礎に触れながら、mrubyのエコシステムやAPIについて学び、mod_mrubyを使ってApache HTTP Serverの中でmrubyを使うという体験をして、最後に自力で一からApache HTTP Serverにmrubyを組み込む--というように本書は段階的に内容が進んでいきます。

本書が素晴らしいのははこの段階の設定の塩梅が非常によいところで、飛躍しすぎもせず、かといってくどすぎもせず、各ステップが読み手にとって理解しやすく学びやすいように設定されています。構成がよく練られているという印象を受けました。また記述自体も結構簡潔なわりに、かなりわかりやすいです。筆者の説明能力というか文章能力というか、高い知性を感じられます。

個人的なポイントとしては写経しやすいつくりになっているところです。これは自分が写経しながら勉強するタイプだからなのですが、本書については洗練されたステップバイステップにわかりやすい説明が相まって、レベルの高い先輩メンターとペアプログラミングをしているような感じでした。まあ仕事でペアプログラミングしたことないけどね(´・ω・`) というか最近はプログラミング自体仕事でしてない…エクセル&パワポ職人になりつつある昨今です。

閑話休題。本書を読むうえではRubyの基本的な文法やエコシステムの知識は多少必要になりますが、本書内で説明はほとんどないないので、この点だけは注意したほうが良いかと思います。ちなみに自分はシステム開発を職業としていて、仕事でRubyを使うことはないのですが、サンデーRubyistとしては7-8年ほどRubyに触れているので、その辺はあまり苦労しませんでした。

システムプログラミングについてはさわりだけというか、必要な分だけ扱っているという感じですが、内容はかなりわかりやすいと思います。システムプログラミングについては、以前別の本で勉強したことがあるのですが、その時はなかなか苦労した記憶があって、先にこの本が読めていればよかったのになんて思ったりします。また利用するツール類の説明についてもわかりやすく説明されているので、かなり実践的な1冊だと思います。

mrubyについてはこの1冊で1から10までわかるというと大げさですが、これ1冊勉強すれば、お作法通りのmgemやmrubyアプリケーションが作れるようになるのは間違いないでしょう。mrubyに入門したい人にとってはとてもよい1冊だと思いました。