nekoTheShadow’s diary

IT業界の片隅でひっそり生きるシステムエンジニアです(´・ω・`)

azu、Suguru Inatomi『JavaScript Primer 迷わないための入門書』(アスキードワンゴ)を読んだ

jsprimer.net

「今年のお盆休みはJavaScriptを勉強したいなー」なんて思い、手に取ったのが本書。Twitterのタイムラインで評判がよさそうだったのですが、うわさにたがわず非常に優れた本でした。今年読んだ技術書の類では1番勉強になった本かも。「XXXの勉強する際の定番といえばこの本」というような書籍がどのジャンルにもあると思いますが、本書はJavaScript学習の定番になってほしいですね。それぐらい素敵な1冊でした。

これを書いている人のスペックですが、SIer勤めのSEで、どちらかといえばサーバサイドが主戦場。JavaScriptについては必要に応じて書きはするものの、全般的に雑な理解しかしていないという人間です。主たる顧客が日系製造業ということもあり、枯れた環境での仕事が多く、近年急激に進展しつつあるJavaScriptの機能やエコシステムに触れてきませんでした。ここ最近の仕事もInternet Exploer11のみ対応のアプリケーション構築だったりするので…。

それはさておき、本書は大きくわけて2部構成になっており、まず第1部ではJavaScriptの基本的な文法や重要な機能が簡潔に整理されています。第1部を通読することで、あいまいにしか理解していなかったところやまるきり知らなかった機能などを体系的に学習できたと思います。また機能紹介のたびに、その機能がどのバージョンで追加されたのかが明記されているので、IE対応のWebアプリケーションを作っている身としては、リファレンスとして非常に役立ちそうでした (IEはあまり新しい機能は動かない…)

個人的には第2部のほうが大事で、第2部では実際に手を動かしながら3つのアプリケーションを作成します。自分は新しい技術領域に取り組むときは、本の内容を写経しながら勉強を進めるので、写経しやすいつくりなのはポイント高し。内容としては第1部で紹介した機能の使い方を紹介するのはもちろんのこと、ソフトウェア設計の方法やリファクタリングのこつ、ユニットテストの粒度など、JavaScriptアプリケーションを開発するうえで必要となるスキルが包括的に身につくようになっています。プログラミング学習では「入門書の次がない」というのはよくいわれる話で、「基本や概要は理解したが、ではそれをどう応用するのか」に困ることがあるのですが、本書の第2部はそれに見事にこたえているように感じました。量自体もそれほど多いわけでもなく、難易度も適切なので、完成度は高いと思います。

JavaScriptは歴史の長い言語のため、googleで調べても古い情報ばかりがヒットしてしまい、結局「現代風のJavaScriptの書き方」がわからないということがよくあります。本書はこの「現代風のJavaScriptの書き方」への近道・特急券であるといえます。JavaScriptにこれから触れる初心者はもちろんのこと、自分のように雰囲気でやってきた人間こそ読んだほうがよい1冊だと思います。