nekoTheShadow’s diary

IT業界の片隅でひっそり生きるシステムエンジニアです(´・ω・`)

宇佐美典也 『パチンコ利権: 瀕死の業界に未来はあるのか?』(ワニブックス)を読んだ。

パチンコ利権 - 瀕死の業界に未来はあるのか? -

パチンコ利権 - 瀕死の業界に未来はあるのか? -

正直にいうと、何の気なしに手に取った本なのですが、意外に面白かったです(´・ω・`) 自分の人生を振り返ってみると、パチンコやスロットをしたことはなく、パチンコホールに立ち入ったのも数回程度。それもトイレを借りるためとか、併設されているラーメン屋に行くためとか、パチンコやスロットとはまったく無関係な理由でした。要はパチンコとはまったく縁遠い人生を送ってきたわけですが、そういう人間でも面白く読めたというか、勉強になった1冊でした。

あげだすときりがないので、このあたりでやめておきますが、以上のように、パチンコというのはとにかく話をややこしくさせる要素に満ち満ちていて、冷静な議論が難しくなりがちです。ともすれば「今日にでもパチンコを全廃しろ」というような、極端で現実味の欠いた結論になりがちです。そんななか、本書は現代のパチンコをめぐる諸問題について、歴史的経緯や法律論や社会的動向などを踏まえながら、冷静な議論を展開しています。タイトルがややセンセーショナルではあるのですが、内容はいたってまじめ。カジノ法案が可決されるなど、ギャンブルに対する社会的関心が高まっているなかで、もっとも身近なギャンブルであるパチンコの問題をこれだけわかりやすく、かみ砕いている本は貴重であり、もっと読まれてもよいと思います。

本書の全体の構成としては、パチンコをめぐる問題をいくつかピックアップし、章ごとに解説しています。まず、この問題の設定方法が上手で、読者が普段から疑問に思っているであろうトピックがずばり選択されています。そのため、どの章を読んでも勉強になるのですが、個人的にもっとも関心を抱いたのは第4章『数字から見るパチンコ業界の凋落: 大逆風に見舞われた21世紀』あたり。パチンコ業界自体の衰退はよく知られており、とくにスマートフォンゲームとの競合は要因としてよく挙げられますが、本書はもう少し突っ込んだ議論をしています。とくに近年のパチンコのゲーム性自体に衰退の原因を見ているのは目からうろこ。詳細は本書に譲りますが、最近のパチンコは「少数のユーザから搾り取る」「派手で華美な演出が多いわりに勝てない」という傾向があるらしく、パチンコを全くたしなまない私でも「それは面白くなさそう」と思える内容で、衰退もやむなしかな(´・ω・`)

第5章 『パチンコ業界はこれからどうすべきか: "グレー産業"からの脱却を提言』あたりで議論されていることですが、筆者はパチンコを地方創生のハブとして考えているようです。要するにパチンコホールに催事場機能やサロン機能を持たせようというもので、この妥当性については判断しかねますが、問題意識は次のWeb記事に近いと思われます。やや本題から外れますが、紹介しておきます。

news.denfaminicogamer.jp

最後に--本書には、パチンコホールの現在を肌感覚として知っている人物として、AV女優である紗倉まなと筆者の対談が掲載されています。そこには紗倉まなの写真が掲載されており、白黒で画質もさほどよい写真ではないのですが、それでも紗倉まなの写真写りはかなり良く、かえって紗倉まなの美人度合いがうかがえる内容でした。こんな写真でもきれいに映る紗倉まなは相当美人なんだろうなということですね。紗倉まなはAV業界でも頂点クラスの女優だそうですが、それも納得です(←なんじゃそりゃ)