nekoTheShadow’s diary

IT業界の片隅でひっそり生きるシステムエンジニアです(´・ω・`)

CodeIQがSunsetするそうです。

複数の常連出題者(?)が出題終了をツイートしたり、スカウト機能の終了が告知されたりしたあたりから、きな臭い雰囲気は漂っていましたが、2018-03-08にCodeIQのSunsetが告知されたようです。残念(´・ω・`) 正確な日付は失念したのですが、わたしがCodeIQに登録したのはプログラミングを本格的にはじめた頃でした。大学の寄付講座でRubyを知ったことがきっかけに「プログラミングというのはかなり面白い行為なのでは?」と思いつつ「具体的に何をすればよいのかわからない」「Webサービススマホアプリを作るのはハードルが高い」という時代に、CodeIQを通じてプログラミングクイズ/競技プログラミングという世界があることを知れたのは幸運だったと思います。なによりありがたかったのは「題材が用意されていること」。始めたてのころというのは勉強の題材を探すだけでも一苦労。あまりにも難しい課題を設定してしまったがために挫折する可能性もある中、CodeIQの「与えられた問題に回答する」というのは非常に手軽でした。また問題の難易度もさまざま用意されており「簡単な問題を解くうちに徐々に難しい問題もできるようになっていく」という感覚を持てたのは、プログラミング学習のモチベーション維持にずいぶん寄与してくれたと感じています。

またCodeIQはコミュニティ志向――というと少し大げさですが、人と人のつながりのようなものを重視していたと思います。この手のサービスには珍しく、出題者による手動採点という方式を長らく採用していましたし、そもそもその出題者自体も最初期はCodeIQユーザからスカウトするようなこともあったようです。CodeIQMagazineにはCodeIQで出題された問題に関する記事も多数ありましたが、その記事内でユーザの名前や解答が掲載されることも珍しくなかったですし、極めつけは「感謝祭」。つまりはCodeIQユーザのmeetupのような集まりを四半期ごとぐらいに行っていたのですが、この「あるサービスや技術に関心を持った人がリアルやネット上でゆるく集まる」という感じが肌感覚として学べたのは本当に良かったと思います。こうした人の集まり方は現代的なコミュニティに共通する――とまではいわないものの、いわゆる「勉強会」「meetup」「技術コミュニティ」はそのような心性に少なからず支えられており、その文脈のもとで現代日本のWebサービスや技術が生み出されているというのが分かっていることが、ロートルSIerのなかで強みになっているのは間違いないと思っています。ちょっと大げさかしらん(´・ω・`)

ただこうしたコミュニティ志向と転職サイトの食い合わせが悪かった可能性は十分にあります。日本の転職では

  1. 何らかの理由で転職を決断する。
  2. 転職サイトやエージェント、ハローワークで就職先を探す。
  3. 転職する。
  4. 1.に戻る。

というフローをたどることが大半だと思います。つまり日本における転職活動とは瞬間的な行為であり、ある一定期間はその場に滞在することが求められるコミュニティとは相性が悪い。欧米では仕事=次の仕事を見つけるまでの足掛かりというキャリア観が一般的らしいので、転職サイトに「滞在」するということが可能なのかもしれませんが、日本の転職事情ではコミュニティとしての転職サイトというのは少し厳しかった、ビジネスとしてペイしなかったのかなと素人としては思うわけです。

またCodeIQはそのサービスの性質上、自分の解答コードがそこに蓄積されていきます。これもある種のコミュニティ志向といえるかもしれませんが、しかし他者にも見える形で自らの成果や知識を蓄積していくのであれば、別にそれがCodeIQである必要はありません。GitHubやブログあるいはQiitaなど、プログラマが自ら知見を公開する場はWeb上にいくらでもあるわけで、クローズドなCodeIQに蓄積する意味は何かと問われると少し厳しかったのかもしれません。

ただCodeIQがわたしの人生に与えてくれたものは大きく、その点は感謝してもしきれない。ろくに就職活動もせず、卒業後はだらだらフリーターになる予定だった2流大学の大学生がプログラミングを継続的に学ぶきっかけになり、正社員のSEになったあとは勉強だけではなく情報収集やSNS活動(?)のHUBとしても非常に役に立ったわけですから、今回のSunsetはとても残念(´・ω・`)