nekoTheShadow’s diary

IT業界の片隅でひっそり生きるシステムエンジニアです(´・ω・`)

帰省中に読んだ本がどれも面白かった。

あけおめことよろ(´・ω・`) 旧年の振り返り&今年の抱負エントリは別に書くつもりなので、ここでの新年のあいさつは簡単に済ませておきますね。

さて、この忙しい現代社会において帰省中というのはまとまった時間をとれる珍しい機会。読書が趣味のわたしは当然この貴重な機会を読書に費やしました。さて今回の規制期間に読んだ本ですが、そのどれもがあたり! 「10冊読んで面白いのが1冊あるかないか」といわれる読書界(?)において、選んだ本のすべてが好みということはとても珍しいこと。こいつは新年から縁起がええわい(´・ω・`) 今年の運をすべて使い果たしたとかいわないでええ

井上誠一郎・槙俊明・上妻宜人・菊田洋一『パーフェクトJavaEE』(技術評論社)

パーフェクト Java EE

パーフェクト Java EE

まずは技術書から(技術書に関しては何をもって「読んだ」とするのかはいつも議論が分かれるところです。今回は「一通り目を通した」ことを指して「読んだ」としています。つまり実際に手を動かしたわけではありません)

普段はJavaを利用したエンタープライズ向けWebシステムの構築を生業にしている(要するにSIerのSE)のですが、JavaについてはJavaSE_Silverを取得したきり。わからないことに突き当たった場合はGoogle先生にお聞きして知識を補うというように、だましだましこの1年を乗り切ってきました。そういう「Javaをとりあえずで書いてきた」人間にとってはJavaEEの全容を把握するという意味で、非常にいい本だったと思います。同時に「付け焼刃でソースコードを書くこと」の意味を痛感させられる本でもありました。

バルザックゴリオ爺さん』(光文社古典新約文庫)

ゴリオ爺さん (古典新訳文庫)

ゴリオ爺さん (古典新訳文庫)

昨年もっとも話題になった人文書といえばピケティ『21世紀の資本』。その『21世紀の資本』に引用されたことから一部でちょっとしたブームを引き起こしたバルザックゴリオ爺さん』を遅ればせながら読みました。フランス文学の古典というとなんだか難しそう、つまらなさそうという印象を抱きがちですが、本書は大衆小説――というかその走りであり、癖の強いキャラクター、大胆な物語展開などなど、エンタメ的視点から見て非常に面白い作品でした。

アシモフ『鋼鉄都市』(ハヤカワ文庫)

鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336)

鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336)

アシモフといえばロボット三原則を生み出すなど、SFの大家というイメージがありますが、『黒後家蜘蛛の会』を代表にミステリ界隈でも非常に評価が高い作家です。なかでも本書『鋼鉄都市』はSFミステリの金字塔であり、ミステリランキングの類にもよく名前が挙がっている作品です。実際に読んでみましたが、その評価にたがわず面白かったです。ミステリとしてはもちろん、SF的あるいは社会評論的にも興味深い内容を含んでおり、やはり世評というのは馬鹿にできないと思わせました。

高木彬光『呪縛の家』(光文社文庫)

呪縛の家 新装版 (光文社文庫)

呪縛の家 新装版 (光文社文庫)

高木彬光が生み出した名探偵神津恭介。本書はそのシリーズ長編第2作です。デビューして間もないということからやや若書きの感がありますが、しかしその「若さ」が本格推理小説という難しいジャンルへ作者を挑ませており、結果として本作を良作ならしめています。また日本の片田舎の旧家というきわめて日本的――というか日本の本格推理小説的な舞台を採用しており、そういうオカルトちっくなものが好きな人にもお勧めです。

以上4冊ですね。実はもう1冊読み止しの本があるのですが、その紹介はまたの機会に。といいつつ面白くなかったらどうしようかしら(´・ω・`) そうならないことを祈るほかないですね。