nekoTheShadow’s diary

IT業界の片隅でひっそり生きるシステムエンジニアです(´・ω・`)

最近読んだノンフィション: 『しんがり: 山一証券最後の12人』『住友銀行秘史』『戦地の図書館: 海を越えた一億四千万冊』

最近読んだ本のうち、面白かったノンフィクション3冊を簡単に紹介したいと思います(´・ω・`)

清武英利『しんがり: 山一証券最後の12人』(講談社+α文庫)

山一証券の倒産といえばバブル崩壊の代名詞ですが、本書は崩れゆく山一証券において倒産の真相究明と精算業務を担った社員たちを描いたノンフィクションです。会社はもはや存在しないにもかかわらず、その原因を突き止めようという行動と心意気には感動しました。また大企業が倒産するときのドキュメントとしても面白く読めました。

國重惇史『住友銀行秘史』(講談社)

住友銀行秘史

住友銀行秘史

山一証券と同じくバブル経済の代名詞がイトマン事件。本書はイトマン事件にいち早く感づき、真相を究明すべく走り回った住友銀行の元重役が自ら書き下ろした1冊です。事件の当事者が書いているためリアリティは満載。子飼いの中堅商社を通じて財閥系銀行の金が闇勢力に流れたのは、単にバブルのあだ花というだけではなく、あらゆる時代に普遍的な人間関係のもつれや欲望の対立があったということがよくわかります。

モリー・グプティル・マニング『戦地の図書館: 海を超えた一億四千万冊』(東京創元社)

戦地の図書館 (海を越えた一億四千万冊)

戦地の図書館 (海を越えた一億四千万冊)

時代はうってかわって第2次世界大戦中のアメリカ。当時のアメリカは戦意高揚のため、戦場に向かう兵士向けの「兵隊文庫」を創設したのですが、本書はその兵隊文庫が兵士たちにどのような影響を与えたのかを描いています。銃弾の飛び交う戦場において兵隊文庫は兵士たちの唯一の娯楽であり、兵士たちがその兵隊文庫をいかに楽しみにしていたのかというエピソードには強い感動を覚えました。