nekoTheShadow’s diary

IT業界の片隅でひっそり生きるシステムエンジニアです(´・ω・`)

日曜日の夕方は月曜日のせいでいつも憂鬱

現在時刻は日曜日の17:30。あとは晩御飯を食べて寝るだけで今日が終わってしまう。ひどく憂鬱である。なぜならば明日は月曜日。仕事に行かねばならないからだ。

わたしは受託開発オンリーのSIerシステムエンジニアをしている。この業界の常として仕事はプロジェクト単位で動くのだが、今わたしが参加している(参加させられている)プロジェクトの内実がひどく、明日もプロジェクト活動があるのかと考えると、気分は落ち込まざるを得ないのである。

プロジェクトをひどいものとしているひとつの原因は顧客のIT理解である。そこそこの規模の会社の情シスと情報子会社が顧客なのだが、ITの専門部署あるいは専門子会社とは思えないほどITに関する知識がない。正確には「ない」のではなく「古い」のである。メインフレームや大型ホストの時代から知識が止まっているようにしか思えない発言を繰り返しており、ミーティングがまったく実りのあるものになっていない。

個人的には情シスには同情的である。情シスの人たちのほとんどは日本的人事異動の結果連れてこられただけだろうし、そもそも日本企業においてIT系の部署は出世コースではない。どうせ勉強したところで数年もすれば人事異動で、そもそもこの傍流の部署から抜け出せるなら万々歳だと考えて、ITの勉強をする気にならないという事情はよく分かる。しかし情報子会社。てめえはだめだ。ITのためだけの会社のくせになぜITの知識がないのか。プログラミングができない、SQLが書けない程度ならまだしも、自分の親会社のシステムのアーキテクチャがどうなっているのかわからないとは、いったいいままでどんな仕事をしてきたのか?

顧客の悪口が多くなってしまったが、なら開発側のSIerはどうか? これもひどいものである。プロジェクトマネージャや営業は顧客の要望を伝書鳩に持って帰ってくるだけ。要件要望が増えても当然予算は増えないし、納期も据え置きである。大体にして要件追加に伴って増やす機能は果たして必要なのか? 「残業をして、品質を落として、作ったものが実はそれほど重要なものではありませんでした」となったらやりきれない。もっとも問題は顧客対策だけではない。アーキテクトと呼ばれる連中もなかなかひどい。ITのスペシャリストのくせにIT知識が10年前で止まっているのだ。日進月歩のIT業界において10年という年月は長すぎる。人間でいえば100年ぐらいに相当するだろうか。想像してほしい。100才のおじいちゃんやおばあちゃんが技術的な取りまとめを行っているのである。その結果出来上がるのは21世紀も半年が過ぎたとは思えないシステムやUIであり、すなわち古臭くて使いづらいシステムである。

こういう話を聞くとたいてい「ひどすぎる上流工程のしりぬぐいを下流工程が技術力の高さを生かしてなんとかする」という流れになりがちだが……しかしそうは問屋がおろさない。下流工程もなかなかのひどさなのである。今の現場はいわゆる多重下請けが横行しており、どこから集められてきたかわからないプログラマがうようよしている。中には参考にしたいと思えるプログラマもいるのだが、大半はだめ。サンプルコードをコメントアウトまでコピペしてくる程度はまだまだ上等なほうで、最下層だとタッチタイピングすらまともにできていない。Eclipseが移った、そこそこ性能の高いラップトップに向かって、両手の人差し指と中指だけでソースコードを打ち込んでいるさまを見ると、怒りすらわかない。怒りを通り越して笑うなんてこともなく、ただただ情けないだけである。タッチタイピングもできなくてもシステムエンジニアであり、しかもそこそこベテランなのだから、この業界の闇は深い。

プログラミングでいうと、オフショアリングとニアショアリングも利用している。この両者が作り上げてくるソースコードの品質だが――もはやいうまでもないだろう。ひとついえることは「安かろう悪かろう」である。よいものを手に入れたいなら適切な対価を支払うべきというのは、資本主義のいろはであり、小学生でも知っている。

そうこう愚痴を垂れ流している合間に18:15である。刻一刻と月曜日は近づきつつある。本当に憂鬱である。