- 作者: 勝目梓
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/05
- メディア: 文庫
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有名な話だが、勝目梓は
- デビューは純文学作家
- ただしなかなか芽が出ず、42歳で大衆作家へと転向
- すさまじい多作で、バイオレンス官能作家としての地位を確立
- 最近では、屈折の多い人生を振り返った私小説や老境を描いた純文学作品なども発表
という、妙な経歴な持ち主で、本作はその大衆作家としての大出世作である。
内容は一言でいうと、「よい意味でパルプ」。
復讐に燃える男が仲間の助けを借りつつも、おもに自らの性的魅力と腕力を武器に敵を追い詰めていく。
頻繁にはさまれるセックスシーンがよい味を出しています。
ただし、現代的な視点で手放しの賞賛ができるかと問われると……
いやもちろん、面白くないわけではないです。しかし、大衆小説はどうしても時代性というものがあるので。
日本ハードボイルドのメルクマーク的作品という価値判断込みで「面白い」ということですね。
研究者とマニアにはおすすめ。というか、必読だろうな。