nekoTheShadow’s diary

IT業界の片隅でひっそり生きるシステムエンジニアです(´・ω・`)

藤原審爾『新宿警察』読了。

新宿警察I (双葉文庫)

新宿警察I (双葉文庫)

日本の警察小説の先駆者でもある「新宿警察シリーズ」の短編集。
収録作品は以下のとおり。

  • 『新宿警察』
  • 『復讐の論理』
  • 『若い刑事』
  • 『新宿心中』
  • 『ズべ公オカツ』

「新宿警察シリーズ」は

  • 執筆期間が40年と膨大
  • そのほとんどが短編作品
    • 長編は2本だけ
  • 出版社を超えて、様々な媒体で発表されている
    • そのうえ、加筆修正されたり、単行本掲載時にタイトルが変えられたりした作品も多い
  • 作者自身も詳細な目録を残していない
    • あったとしても見つかっていない

という要因があって、全貌がいまだはっきりしないことで有名。
短編数は50本とも100本ともいわれる、不思議なシリーズである。
この短編集はそのうち代表的なものを掲載しているのだと思われます。
(評論書などで名前を見たことがある短編が多い気がする)

個性豊かな刑事たちが仲間と連帯しながら事件を捜査しながら、そこに彼らの抱える、ごくプライベートな事情が絡まっていく――どの短編も、まさしく警察小説といった趣でした。
読み物として質が高いのはもちろんのこと、自分が好む「ハードボイルド文学」とはまた一風違っていて、そこも楽しめました。