nekoTheShadow’s diary

IT業界の片隅でひっそり生きるシステムエンジニアです(´・ω・`)

ホイッティントン『殺人の代償』読了。

殺人の代償 (扶桑社ミステリー)

殺人の代償 (扶桑社ミステリー)

「ペーパーバックの王者」と称される作者の代表作。
本国アメリカはもちろん、フランスではロマン・ノワールの大家として評価が高いらしい。
ちなみに、翻訳は2003年だが、原著は1958年刊とのこと。
1950年代から1960年代には、ハードボイルドとかノワールとかいった小説が多数書かれており、本作もそのひとつということでしょう。

……とここまでは、池上冬樹の解説の受け売り。
実は、これを読むまで、作者の名前自体知りませんでした。不勉強ですみません。
日本では評価が低いのかしら。まあ、ノワール文学自体、日本では不人気ジャンルですが。

読んだ感想としては、かなりよかったです。もしかすると今年ベスト級かも。
印象としては、ドライブ感のあるケイン『郵便配達は二度ベルを鳴らす』といったところ。

郵便配達は二度ベルを鳴らす (光文社古典新訳文庫)

郵便配達は二度ベルを鳴らす (光文社古典新訳文庫)

たぶん、ケインが日本で受けないのは、ケイン特有の「どろどろした感じ」だと思うので、それがない『殺人の代償』は人気出るのでは?
いや、わたしはあの「どろどろした感じ」が結構好きなのですが。

なお、ホイッティントンの翻訳は本作品一冊きり。しかも、重版されずに絶版。
同じ作者の作品、もっと読んでみたいのに……残念です。