- 作者: 石動竜仁
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/08/26
- メディア: 新書
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筆者はゆっくり魔理沙のアイコンが有名な軍事ブロガーで、わたしが普段技術情報の収集に利用している「はてぶ」でも、筆者の記事がホットエントリーに上がっているのを見ていました。要するにミーハー精神でこの新書を読んだわけですが、なかなかよかったです。
安全保障に関する本や新書を読むと、かなりの確率で「俺の安全保障論」にぶち当たります。つまり安全保障一般を語るようなタイトルでありながら、実際は筆者の安全保障論が開陳されるだけという本がかなりあるわけです。実は最近そういう羊頭狗肉本を読んでしまい、ちょっとげんなりしてしまうということがありました(余談)。
閑話休題。しかし本書は「俺の安全保障論」ではありません。安全保障に関する視点や論点を多角的に、かつきわめて客観的に紹介しています。いってみれば安全保障の教科書です。『安全保障入門』というタイトルを名乗るにふさわしい内容だと思います。また筆者は公平で客観的な記述を志す一方、「人間が執筆する以上、偏りは避けられない」ということも表明しており、ここにわたしは好感を持ちました。