nekoTheShadow’s diary

技術ブログとして始めたはずが、読書&愚痴ブログになりました(´・ω・`)

Androidタブレットを買って、若者のPC離れが理解できた。

タイトルにある通りAndroidタブレットを買いました。モデルはHUAWEI MediaPad T3 10。格安タブレットとか中華タブとか言われるやつですね。ビックカメラ立川店で購入して、価格は2万円弱でした。安い!

購入動機としては普段利用しているラップトップPCの東芝Dynabookの不調。バッテリーが長持ちしない、CPUファンが異常にうるさいといったハードウェア的なそれもさることながら、ネットワークドライバが不安定でたまにインターネット接続が切れたり、正常に電源が落ちない/立ち上がらない場合があったりとソフトウェア面でも厳しい状態。購入したのは約4年前と必ずしも古いわけでもないのですが、どうしてこうなった(´・ω・`) 4年前といえば東芝の不正会計発覚直前、つまりばりばり不正を働いていた時代であり、カタログ上ではわからないような品質の悪い部品を使っていたのではと個人的には疑っております。

わたしのラップトップ使用用途はプログラミング、Blog、Twietter、Youtubeあたり。プログラミングやBlogのようにPCが不可欠なものはともかく、ちょっとSNSを眺めたり、だらだら動画を見たりしたい場合にこの東芝Dynabookの不調はかなりのストレス。そこで「お遊び」用として、以前より興味があったAndoroidを手に入れたわけです。

さてそれから1か月。中華タブレットを使ってみた感想といえば「すばらしい」のひとこと。前述したようにTwitterYoutubeで遊ぶ程度であれば、全く問題なし。むしろYoutubeTwitterに関しては、ラップトップ=インターネットブラウザよりも、タブレットのネイティブアプリのほうが快適に使えるような気がします。運営会社がブラウザUIよりアプリUIにお金かけているのかしら? またラップトップでは難しい、ベットで寝転がりながらの利用、食事をとりながらの利用が手軽に実現できてしまうのもわたしとしては非常にポイントが高い(お行儀悪くてすみません)。

動画視聴やSNS、ショッピングやゲームがラップトップと遜色なくできる、いやむしろそれ以上に快適にできるデバイスが2万円弱で手に入ってしまう。動画編集やプログラミングあるいは長文の執筆など、いわゆるPCが必要あるいはそちらのほうが便利というものもあるとは思いますが、それらをしないのであれば格安のタブレットで十分。そもそも値段が違いすぎる。中級レベルのラップトップPCは10万円かそこらは出さねばならないのに対して、タブレットPCであれば高級の部類でも5万円程度。また効率的な入力方法(要するにタッチタイピング)やソフトウェアの「取り扱い」(強制終了やアップデート)を学ぶ必要がある、すなわち学習コストの高いPCに比べると、タブレットはそのあたりのハードルがずっと低いのもよいところです。

写真も動画もとれる比較的高性能なカメラ付きで、インターネットに簡単に接続できる。持ち運びが容易で、アクセサリーも充実している。家電量販店に行けば、数えきれないほどのカバーやシールが売っていて、自分好みの見た目にするのも楽しい。繰り返すようにそれだけ便利で面白いアイテムが2万円かそこらで手に入ってしまうのだから、本当にいい時代になりましたね(´・ω・`)


最近のニュースによれば若者のPC離れが激しく、大学生がレポートをかけなかったり、ろくにPCに触ったことのない学生がIT業界に入ってきたりということが増えているようです。あるいは大手日系製造業がPC部門を切り離して中国メーカに売り払うなど、PC氷河期時代をひしひしと感じるご時世。しかしタブレットPCを新たに購入してみてわかるのは「普段生活しているうえではタブレットスマートフォンで十二分に事足りる」ということ。かつては(といっても5年ぐらい前の話ですが)中流以上の家庭には「家のパソコン」が必ずあったものですが、その地位をスマートフォンタブレットPCが占め始めているのでしょう。「家のパソコン」の用途は何であったかを考えると、家計簿をつけたりショッピングをしたりが主で、それらはスマーフォンやタブレットで事足りてしまうのだから、わざわざ値段の張って学習の必要もあるPCを買わなくなるのは当たり前といえば当たり前ですね。

PCでしかできないことの範疇はどんどん狭まっていくでしょう。ソフトウェア開発やプログラミングは当分先にはなるでしょうが、長文執筆などはタブレットでも事足りてしまうのかもしれません。タブレットでは長文入力は難しいとわたしが感じるのはいわゆるフリック入力が苦手だから、qwerty配列ローマ字入力に慣れているからであり、裏を返せばタブレットPC一本やりの人からすればフリック入力でも長文執筆が苦にならないはず。時代が進んでフリック入力が一般的な技術になったとすると、会社の資料や報告書をフリック入力で作成したり、フリック入力で執筆された小説が芥川賞直木賞を受賞したりするのが当たり前の光景になるのかもしれませんね(´・ω・`)

MacにすべきかThinkPadにすべきか

もうすぐ冬のボーナスの時期ですね。わたしは超絶ホワイトな大企業勤め(血涙)なので、そこそこの額のボーナスが支給されます。まとまった額のお金が舞い込んでくるとなると、頭をもたげてくるのが物欲。要するに「冬のボーナスで何か欲しいものがあるか?」という話で、今年のボーナスではラップトップPCの購入を検討しています。

候補はふたつ。まずはMacBook。予算的にはMacBook AirもしくはMacBookのどちらかで、MacBook Proは少し厳しい。なんといってもUNIXベースである点がプログラマであるわたしにとっては魅力的です。OS界の王者はwindowsの現代ですが、多くのソフトウェアはUNIX出身がほとんど。つまり開発環境の構築など、ソフトウェア開発の観点からは圧倒的にUNIXベースのMacに軍配が上がります。仕事(プログラマ)ではmacwindows両方を利用しており、その便利さは実感済みです。またビルトインの状態でbashが利用できるのも地味にうれしいところです。

もうひとつの選択肢がThinkPad。これはいうまでもありませんね。ThinkPad特有のこだわりぬかれたキーボード、そしてトラックポイントが使いたくて仕方がないわけです。とくに後者。MacBookにもトラックパッドと呼ばれる、それはそれでよくできた操作デバイスがありますが、やはりトラックポイントにはかなわない。またMacBook系特有の"ペラペラ"キーボードが好きではない、というよりThinkPadのキーボードが自分の好みすぎるのです。

ThinkPadを選んだ場合OSはWindows10になります、とはいえUNIXを求めてLinuxUbuntuに変更するのはかなり面倒ですし、そもそも1台しかない私用PCに「必ずしも一般的ではないOS」を導入するのは抵抗があります。プログラミングの観点でいえばそれでよいのかもしれませんが、それ以外の用途(たとえばネットショッピングや事務手続き)の際に何らかの不都合が出そうで、簡単には踏み切れません。要するにThinkPadではwindows10を利用するということです(´・ω・`)

ソフトウェアの観点からいえばMacBook、ハードウェアの観点からいえばThinkPad(windows10)――といいつつ、windows10では「Windows Subsystem for Linux」というwindows上でLinuxをシームレスに利用できる機能が標準として用意されており、それを利用すればわたしがMacOSに求めることに近いことが実現できるはず。実際にここ数か月「Windows Subsystem for Linux」(とその前身機能)を利用しているのですが、細かい点では不満はあるものの、多くの面でわたしの需要を満たしてくれています。

ではThinkPadか? しかしMacも捨てがたい。「Windows Subsystem for Linux」があるとはいえ、やはりMacOSには見劣りしますし、スタバでどや顔したいですし、そもそもOfficeを利用しないのでWindowsにこだわる意味もないし――ううむ。安い買い物ではない(薄給並みの感想)だけに悩ましいところです(´・ω・`)

祖田修『鳥獣害: 動物たちと、どう向きあうか 』(岩波新書)

本書のよいところ&面白いところは、鳥獣害やそれに対する対策の単なる事例集に終わっていないことでしょう。もちろん事例は多数紹介されてはいるのだが、それらは考えるヒント程度にしかすぎず、むしろ本書の論点は「鳥獣害を起点として、自然と人間社会の関係性をふたたび問い直そう」というところにあります。またその問い直しにあたっても「問題提起」という点に終わらず、より具体的な社会設計にまで踏み込もうとするところも面白いところです。理想論やべき論をぶち上げるだけの本が多い中、その実現性はさておいても実践まで語ろうとする本書は珍しい類と思います。

現実の鳥獣害の事例に始まり、西洋および日本における自然と人間社会のかかわり方を思想的歴史的側面から整理した後、これからの未来へ向けてあるべき人間と自然の在り方とその実現方法を提示する。その結論のひとつとして、ゆるやかな経済成長の否定にまでいたってしまうのは、ややいただけないというか、筆が滑っているような気もしますが…もっとも「たまにきず」というやつで、その1点をもって本書の価値を全く損なってしまうというものではありません。良書でした。

また本題とは別に「菜食主義者に投げかけられがちな質問」すなわち「動物がかわいそうだからという理由で肉食を避けるならば、なぜおなじ生命を持つ植物は食べてよいのか?」という問題に関して、その思想をまとめた部分があり、大変勉強になりました。本書によると、西洋における動物の権利運動の「元ネタ」として『動物の心』という本があるようなのですが、その本では「植物は科学的に感情を持たないことが明らかだから食べてよい」と語られているそうです。また菜食主義の代表的な思想である仏教では「動物は有情、すなわち仏性を有数するが、植物は非情もしくは無情だから食べてよい」とあるらしく、またこのような菜食肯定ロジックがインドの文化的な風土とは相いれず、発祥の地で仏教が廃れてしまったという分析まで存在するとか。

何を食べるのかという選択それ自体が当人の思想の発露であり、きわめて政治的な行為です。肉食が一般的な日本社会において、あえて菜食主義を選択するということは通常以上の意味合いを持つことはいうまでもなく、その当事者はその選択の理由を理論武装しておかざるを得ません――などと小難しいことを考えてみましたが、そもそもわたしは菜食主義ではありません。すっかり忘れていたぜ(´・ω・`) そもそも牛角で腹いっぱい食べた後にこれを書いている人間が菜食主義についてどうこういう権利はないですよね(´・ω・`)

『UNIXプログラミング環境』(2017-09-16のCodeIQ感謝祭の「ドワンゴからの挑戦状」でもらった本)

"CodeIQ"というウェブサービスをご存じでしょうか? 日本社会で働くプログラマの中では知名度があると思うが、知らな人のために簡単に解説しておくと――CodeIQとは「コード転職サイト」であり、定期的に出題されるプログラミング問題に解答しておくと、その内容を見て大小さまざまな企業からスカウトが来るというサービスです。

さてこのCodeIQですが、運営会社は天下のリクルート。要するに資金力があるらしく、著名なゲストや企業を多数招いたイベントを「感謝祭」と名を打って半年に1度ほどのペースで開催しています。つい先日の2017-09-16(金)にも「CodeIQ感謝祭: 学びの秋!エンジニア最先端に触れて学ぶITフェス」が開催されており、その協賛企業のdwangoが「ドワンゴからの挑戦状」という企画を実施していたのでした。

ドワンゴからの挑戦状」は会場内で配られるプログラミング問題に答えると、先着順でアスキードワンゴの本がプレゼントされるというもの(ちなみに当日出題された問題&解説は次のリンクから確認できます:「CodeIQ感謝祭「ドワンゴからの挑戦状」についての解説」)。「ただでものがもらえる」と聞けばいてもたってもいられず、持ってきていたPCで問題に解答し、以前から気になっていた『UNIXプログラミング環境』をGETしました。ありがとうございます!!! ちなみに本書以外にも

などもプレゼント対象だったようです(ちらっと見ただけなので間違っていたらすみません……)。アスキードワンゴ出版が刊行している技術書のうち、比較的お値段のものを気前よくプレゼントするなんて、なかなか太っ腹。

↓:もらった直後のツイート。はしゃいでおるわ(´・ω・`)


前置きはさておき。タイトルからはわかりづらいかもしれませんが、本書はUNIXの入門書です。ただし一般的な入門書と違うのは、初歩の初歩から発展・応用まで学べてしまうということ。ログインの方法・ファイルシステムの解説・コマンドのたたき方に始まり、シェルスクリプトの書き方・標準入出力の利用方法を経て、最終的にはシステムコールyacc・lexを利用した高度なプログラム開発まで学べてしまいます。電話回線が前提とされているなど、時代を感じさせる記述がないわけではないものの、その内容はまったく古ぼけておらず、古典の古典たるゆえんを感じさせます。

プログラマとして働く以上、UNIXから逃れることはできません。また最近はmacOSをビジネス職に支給することも多いと聞きますが、いうまでもなくmacOSUNIXベース。つまりプログラマは言わずもがな、プログラマ以外もUNIXに触れる機会が増えつつあります。そうした昨今、ソフトウェアエンジニアとして初めてUNIXを利用する・仕事に利用するという初心者にはうってつけの1冊だと思います。少なくとも自分の初心者時代を振り返ってみると「本書をキャリアの早い時期に読んでいれば、しなくてよい苦労も多かったのに……」と読み終えて感じています。

あるいは本書はその性質上UNIXに関する知識が体系的に網羅されています。つまりわたしのような「今まで何となくでUNIXを利用してきた人」が歯抜けになっている知識を整理するという観点からもお勧めできる1冊だと思います。なんにせよ、学びが大きくかつ一生付き合える類の本でした。そんな1冊をタダでもらえちゃうなんて、たまにはお外に出てみるのも悪くないかもしれませんね(´・ω・`)

UNIXプログラミング環境

UNIXプログラミング環境

細川義洋『プロジェクトの失敗はだれのせい?: 紛争解決特別法務室"トッポー"中林麻衣の事件簿 』(技術評論社)

本書のテーマは「受託システム開発が失敗した挙句、顧客との裁判沙汰にまで発展しそうなとき、受託側のSIerはどのようにふるまうべきか」である。よって「トラブルなくシステム開発を進める方法」「デスマーチ状態を脱出するやり方」などは本書のスコープではない。本書は小説仕立て、すなわち顧客との関係がこじれ切ったプロジェクトを法務部員の主人公が救済して回るというものなのだが、その中デスマーチ描写はほとんどなく、またトラブルの原因にしても現実社会ではほとんど考えずらいようなもの、ネタバレを恐れず述べれば「悪意を持った第3者の介入」であり、あくまで「顧客との関係が悪化しきった後」がメインテーマであることがよくわかる。

しかし「ソフトウェア開発においてトラブルをいかにして起こさないか、あるいは起きた場合にはいかにふるまうべきか」については類書あるいは方法論が多数ある中で「トラブルを起こした後」「顧客との裁判もありうる直前」にスポットライトを当てたものは珍しいと思われる。

プログラマならだれでも知っている通り、ソフトウェア開発はそれ自体難しい。そのうえ現実の「業務」はかくも複雑で、それをシステムに落とし込もうというのだから、トラブルは発生して当然なのである。数十億円単位のシステム開発プロジェクトがお釈迦になって、裁判沙汰になることは珍しくないし、おそらく数百万単位・数千万単位のシステム開発であれば、毎日のように裁判になっているのだろう。そのような高リスクなビジネスにかかわるのであれば、未然にトラブル方法にもまして、トラブルになった後のふるまいを知っておくことも悪くない。またその副産物として、受託システム開発にかかわる法律知識、あるいはトラブルになってからわかる、トラブルを起こさない方法も逆算的に知ることができる。要するにお得な1冊である。

最後に小説としてどうかということだが、及第点だと思われる。ややご都合主義な物語運び、サスペンスやミステリというには少し掘り下げが足りない、キャラクタの造詣が典型的というより陳腐――などなど、物語作品として真剣に読むと文句も言いたくなるのだが、本書はあくまでビジネス書や技術書の類。小説形式という選択は「箇条書き的で抽象的で退屈になりがちなテーマを少しでも面白く実践的なものにしたい」という効果を狙ったものであり、その点では成功しているし、そのレベルであれば十分な水準の読み物だったように思う。

最近読んだノンフィクション3冊: 『食肉の帝王』『ザ・粉飾: 暗闘オリンパス事件』『あの会社はこうしてつぶれた』

仕事が忙し杉内(´・ω・`) 仕事で使う技術書を読むだけで精一杯なのですが、そんな中でも一般書を読んではいます。そこで最近読んだ技術書以外の本のうち、とりわけ面白かったノンフィクションジャンルの作品を紹介します。

溝口敦『食肉の帝王』(講談社+α文庫)

食肉の帝王 (講談社+α文庫)

食肉の帝王 (講談社+α文庫)

食肉業界はその歴史的経緯から魑魅魍魎が渦巻く世界であることはよく知られているが、本書は政治財界暴力団を巧みに乗りこなしながら、その魑魅魍魎を御したとある男の「闇」に迫っている。著者はジャーナリストであり、また対象人物がさまざまな法律や道徳を破っていることから、「闇を暴く」という論調になっているが、見方を変えてみると「あらゆる手段を利用してのし上がったダークヒーロー」あるいは「食肉業界のトニー・モンタナ」といえなくもない。どう読むべきかは読者に任せることだとしても、おいしいお肉がどのようにしてわれわれの口に運ばれているのか、そしてそれをだれが牛耳っているのかを知ることは決して悪いことではないだろう。

山口義正『ザ・粉飾: 暗闘オリンパス事件』(講談社+α文庫)

ザ・粉飾 暗闘オリンパス事件 (講談社+α文庫)

ザ・粉飾 暗闘オリンパス事件 (講談社+α文庫)

筆者はオリンパス事件を「発見」したジャーナリストであり、その観点から書かれた本書は躍動感に満ち溢れていました。オリンパス事件の概要と推移だけではなく、それがどのように暴かれ、白日の下にさらされたのか。そしてその過程において筆者を含む当事者たちは何を考えていたのか? ドキュメントとしてはもちろんのこと、ある種の読み物・サスペンスとしても面白い1冊だと思います。そして地位と名誉は人を狂わせるということ、巨大企業といえども粉飾決算の方法はありふれている(=ペーパーカンパニーを過剰な"のれん"を計上して買収し、のちのちその"のれん"を損失として計上する)ことを再確認しました。

帝国バンク情報部 藤森徹『あの会社はこうしてつぶれた』(日経プレミアシリーズ)

本書は倒産の事例集です。テーマごとにさまざまな実際の企業の倒産理由が2-3ページずつ紹介されています。通して読まずとも、気になる企業からぱらぱら目を通してみてもいいかもしれません。それにしてもひとくちに「倒産」といってみても、その理由原因はさまざま。企業には企業ごとの歴史があるようにその倒れ方もバリエーションは豊か。不謹慎ですが、倒産企業に縁のない第3者視点あるいは野次馬根性で読むと面白い1冊でした。盛者必衰の理をあらはす――とは少し大げさですかね(´・ω・`)

松浦智之『すべてのUNIXで20年動くプログラムはどう書くべきか:デプロイ・保守に苦しむエンジニア達へ贈る[シェルスクリプトレシピ集]』(シーアンドアール研究所)

すべてのUNIXで20年動くプログラムはどう書くべきか デプロイ・保守に苦しむエンジニア達へ贈る[シェルスクリプトレシピ集]

すべてのUNIXで20年動くプログラムはどう書くべきか デプロイ・保守に苦しむエンジニア達へ贈る[シェルスクリプトレシピ集]

POSIX原理主義者のお通りだー(適当)

移植性を軽んじていると思わぬ場面でやられがち――とわたしが勝手に思っているだけですが、しかし実際にシェルコマンドの環境差異に苦しめられる機会があり、手に取った1冊です。本書の構成は前半1/3でPOSIXに準拠したbashの書き方を解説し、残る2/3は用例集になっています。

個人的に参考になったのは後半部。「POSIXという制約(?)の中でもこれだけ多様なことができる」ということもそうですが、POSIXの範疇ではできないことも多くあり、それが正直に書かれていることに好感をもちました。はっきりいうと、本書におけるPOSIXの限界とされるのは、かなり限られた用途の中で現れるものであり、プログラマが日常直面する問題の90%、いや99%はPOSIX準拠で解決できると思います。それに「POSIXの範囲外だが、事実上のデファクトスタンダード」といえるものは多数あり、それを組み合わせれば、残りの1%も問題なく解決できる気がします(´・ω・`)

こういう境界線に触れることも大事なこと――そして筆者が一番伝えたかったことかもしれませんが、bashのレシピ集としても楽しく読めました。また前半部はbashの文法講座としてよくできていると感じました。bash/shellscriptを「なんとなく」で書いてきた人がステップアップするにはちょうどよい1冊だと思います。